臨床心理学研究科 臨床心理学専攻(専門職学位課程)
臨床心理士・公認心理師を目指すなら、
東日本で唯一の臨床心理専門職大学院
帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科は、2011年4月に東日本で最初の臨床心理専門職大学院として開設されました。
近年、様々な領域で心の問題が発生し、専門性の高い心理的支援への期待が高まっています。こうしたなかで、臨床心理士・公認心理師には、心の問題に的確に対応できる、より高度な専門性が求められています。当研究科では、このような社会のニーズに対応し、臨床心理の理論教育をきちんと行ったうえで、提携機関での豊富な外部実習、附属臨床心理センターでの臨床事例担当、きめ細かい指導による事例研究などを通じて、様々な現場の問題に的確に対応できる即戦力の実践家の養成を目指しています。
当研究科修了者には、「臨床心理修士(専門職)」の学位が授与されます。また、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の臨床心理士受験資格が与えられ、一次試験<筆記>のうち「論文記述試験」が免除されます。さらに、本大学院の「健康科学研究科臨床心理学専攻(博士課程)」への進学が可能です。
2018年度から公認心理師試験受験資格にも対応した授業を行っています。大学院入学前に公認心理師法に定められた所定の科目を履修し要件を満たした方は、本大学院を修了すると公認心理師の受験資格が与えられます。
専門職大学院のメリット
- 「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」による臨床心理士資格審査(一次試験〈筆記〉)のうち「論文記述試験」を免除。
- (臨床心理学研究科臨床心理学専攻)「専門実践教育訓練給付制度厚生労働大臣指定講座」
学位・進学などについて
- 臨床心理修士(専門職)の学位授与。
- 本大学院「健康科学研究科 臨床心理学専攻(博士課程)」への進学が可能。
2025年度入学者向け 大学院公開授業・進学説明会
専門職大学院 公開授業・進学説明会を開催します。詳しくは下記リンクよりご確認ください。
※実施内容や開催日時が変更となる場合がありますので、最新の情報は本学HPでご確認ください。
⽇時 | 第1回 | 7月6日(土)10:00~11:30 |
---|---|---|
第2回 | 9月7日(土)10:00~11:30 | |
第3回 | 12月7日(土)10:00~11:30 | |
場所 | 池袋キャンパス(本館)806教室 | |
内容 |
|
研究科長からのメッセージ
入口は資格取得、その先は心理臨床の実践家へ
-多様なキャリアの基礎づくりを支援します-
心の問題を抱える人のお役に立ちたい、その出発点は資格取得です。私たちは、これまで蓄積したノウハウを活かして、臨床心理士と公認心理師の資格取得への充実した支援を提供し、直近の修了生の合格率は、臨床心理士100%、公認心理師100%であり、高い合格率の実績があります。
即戦力としての臨床心理士・公認心理師の養成は、本学の建学の精神である「実学」の趣旨に沿うものです。この目的を達成するため、本研究科では、附属の臨床心理センターにおいては多彩で豊富な事例担当を手厚いスーパービジョンを受けながら経験し、学外の実習機関においては豊富に実践経験する機会を提供しています。
2024年度は、専任教員12名と臨床心理センターカウンセラー4名を配置し、院生一人ひとりに専任教員のアドバイザーをつけ、マンツーマンのきめ細かな指導を行います。アドバイザーは、心理臨床の実践家としての一歩を踏み出すための、力強いサポーターとなります。就職活動についても、学内の就職支援室と連携して就職ガイダンスを開催し、個別にもキャリア相談を実施するなど、きめ細かくサポートしています。
その結果、修了生の就職先は、医療機関をはじめ、県庁・区役所等の自治体、子ども家庭支援センター、教育支援センター、および、児童養護施設等、多岐に渡ります。心理臨床の初心者が次第に心理臨床のプロフェッショナルとして成長していく姿を見るのは、私たち教員のやりがいでもあります。
私たちは臨床心理の実践家の志と意欲を持つ方々を院生として迎え、心の問題を抱える人々への適切な支援を一緒に考えることを楽しみにしています。
特色
臨床心理学研究科は、本学の建学の精神に則り、専門職学位課程として、実学の精神を基として、豊かな人間性を持ち、多様で複雑な心の問題に創造的で柔軟に対応できる臨床心理分野の高度専門職業人を養成します。
臨床心理士と公認心理師の資格取得へ手厚い支援
資格を取得し、専門性と実践能力を磨きたい方に、最適な環境があります。
帝京平成大学大学院臨床心理学研究科は、2011年4月に東日本で最初の臨床心理専門職大学院として開設されました。本研究科では、様々な現場の問題に的確に対応できる即戦力としての臨床心理士・公認心理師の養成に重点を置いた教育を実施しています。資格取得のための手厚い学修支援はもちろん、臨床心理の理論的教育をきちんと行ったうえで、特色2·3で述べるような外部実習、臨床事例の担当、事例研究などを通じて、心理職として問題を的確に評価し、適切に関わる態度や能力を養成します。修了者には、「臨床心理修士(専門職)」の学位が授与されます。また、「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」の臨床心理士受験資格が与えられ、一次試験〈筆記〉のうち「論文記述試験」が免除されます。さらに、本研究科の「健康科学研究科臨床心理学専攻(博士課程)」への進学が可能です。大学院入学前に公認心理師法に定められた所定の科目を履修し要件を満たす方は、本研究科を修了すると公認心理師の受験資格が与えられます。公認心理師の受験資格については、一般財団法人 日本心理研修センターのHPでご確認ください。
座学だけでない多様な臨床現場に対応できる質の高い実習
学外実習と手厚いスーパービジョンを受けながら学内の臨床心理センターで事例担当を経験。
本研究科の教育課程では、学内の附属臨床心理センターの「臨床心理面接実習」と、学外の協力機関で実施する「臨床心理地域援助実習」により、現場の多様なニーズに対応できるスキルを修得する機会を提供しています。「臨床心理面接実習」では、「臨床心理センター」において、教員及びカウンセラーによる指導のもと、様々な問題や障がい、疾患を抱えたクライエントヘのアセスメント、支援、介入について学びます。これらは、面接場面への陪席からスタートし、セラピストとして面接を担当する段階まで、院生の知識やスキル向上のレベルを踏まえて次第にステップアップしていきます。また、教員とカウンセラーによるスーパービジョンとカンファレンスによって心理職の専門性を身に付け、事例研究の方法も学びます。「臨床心理地域援助実習」では、多くの関係機関の協力により、医療・福祉、地域保健・産業、学校・教育の3領域の現場において多様な業務を経験し、指導を受けることができます。現場の様々な課題に真剣に向き合い、謙虚に学び、向上していくことのできる専門家の養成を目指します。
きめ細かな個人指導体制
研究科教員とカウンセラーの指導体制がスキルアップを支えます。
本大学院では2学年で34名の大学院生に対し、12名の研究科教員と4名の臨床心理センターカウンセラーを配置し、院生一人ひとりに指導教員をつけ、きめ細かな指導を行います。個人ごとの指導教員はアドバイザーと呼ばれ、履修指導や学修面、生活面、実習に関する相談等を行い、臨床家としての一歩を踏み出すための、力強いサポーターとなります。また、「臨床心理センター」での学内臨床実習では適切に面接を行えるよう、スーパービジョンを受けることができる体制を整えています。本大学院生は、クライエントを担当し、心理面接・遊戯療法・心理検査等の様々な臨床実践を積んでいきますが、アドバイザーは、授業で学んだ知識や理論と臨床実践で得た経験とを関連づけ、整理して理解を深めることができるように手助けします。臨床事例報告の作成にあたっては、事例研究指導者が個別指導を行っていきます。
臨床心理士・公認心理師になるには?
臨床心理士になるには、「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」が実施する資格審査に合格する必要があります。資格審査を受けるためには、同協会が「臨床心理土資格審査規程」第8条で定めた受験資格基準のいずれかを満たすことが必須です。専門職大学院の修了者は「学校教育法に基づく大学院において、臨床心理学またはそれに準ずる心理臨床に関する分野を専攻する専門職学位課程を修了した者」に該当します。資格審査は、一次試験(〈筆記〉「多肢選択方式試験」及び「論文記述試験」)と二次試験(口述面接試験)によって行われますが、専門職大学院の修了者は、一次試験のうち、「論文記述試験」が免除されます。2018年度から公認心理師にも対応した授業を行っており、受験資格がある方には両方の資格試験に合格できるよう学修の支援を行っています。
課程修了の認定および学位
臨床心理学研究科 臨床心理学専攻(専門職学位課程)
修業年限 | 2年 |
---|---|
修得単位および条件 | 50単位(必修含む) |
学位 | 臨床心理修士(専門職) |
専攻領域および指導内容
医療・福祉
教授 安西 信雄
教授 長田 洋和
教授 森 美加
准教授 杉浦 貴代子
医療現場で臨床心理の専門性を活かしながら、チーム医療の一員として信頼される心理職となるための指導を行います。精神疾患への対応だけでなく、身体疾患に伴う心理的課題に関しても、的確にアセスメントを行い効果的に介入できるようになることを目指します。医療制度や医療従事者の役割を理解し、チーム医療の一員として多様な職種と連携して協働できる多角的な視野と柔軟な思考力をあわせ持った即戦力となる専門家を養成します。
地域保健・産業
教授 馬場 洋介
教授 管 心
講師 大久保 智紗
地域住民や職場における労働者の精神的健康の向上を図り、精神的健康問題に取り組むことのできる心理職を目指します。精神的健康問題の把握方法やアセスメント、精神病理、組織への働きかけ、さらには関連する法令・制度等について理論と事例を基に学びます。個人の能力だけでなく、関連する専門家等と連携しながら現場の資源や制度を活用したり、組織の改善を行うなど実践力を柔軟に発揮できる専門家を養成します。
学校・教育
教授 谷田 征子
教授 鈴木 明美
准教授 岩藤 裕美
講師 江口 聡
講師 輕部 雄輝
教育現場や家庭、地域社会において、子どもの心の問題の理解や取り組みだけでなく、それぞれの力を発揮できる環境を構築するために必要な知識、技能、倫理、態度等を学びます。また、教育施設での実習で経験し学んだことを全員で共有し、子ども個人のみならず、取り巻く環境に目を向けてディスカッションを実施し、豊富な知識と実践的で高いスキルをそなえた専門家を養成します。
在学生からのメッセージ
多種多様な実習と充実のサポートで自信を持ってクライエントと向き合える
将来は、余命宣告を受けた患者様やそのご家族に寄り添い、支援する仕事に就くのが夢で、公認心理師や臨床心理士の資格取得を目指しています。身体科の領域も含めた学びを考えていたので、本学の多種多様な実習制度に魅力を感じました。特に自分の主領域以外の実習ができることや、臨床心理センターでケースを担当する経験を積むことで、現場で働く力が養えます。自分が担当するケース一つ一つに先生方がスーパーバイザーとして付き、丁寧で手厚いサポートをしてくださいます。そのおかげで反省点や検討したいことのほか、支援方針などが明確化できるので、自信をもってクライエントと向き合うことができます。
※2024年度取材
豊富な知識と実践力重視のカリキュラムで広い視座や視点を獲得できる
人権擁護活動に16年間従事していました。正論や合理性だけでなく、「感情で人が動く」という現場に立ち合うことで、人間の心理に興味を持つようになりました。大学院進学を決意したのは、セカンドキャリアとして心理専門職を目指したかったから。2年間で幅広い知識と実践力を体得する体系的なカリキュラムや、異なる専門領域の先生の多様な意見に触れられるカンファレンスなど、幅広い視座や視点を獲得できる機会に「生きた学び」を感じています。今、ストレスを抱える労働者は8割を超え、精神障害の労災請求件数も右肩上がりです。労働者の心の健康に貢献するため、状況を的確にアセスメントする力や、関係者と連携できる素養などを身に付けたいと思っています。
※2024年度取材
ケースカンファレンスから専門教員の経験と知識を学び現場に活かす
学習塾で働いていたころ、進路や家庭の悩み、ADHDの傾向がある子どもについての相談に乗りながらも、専門知識の必要性を感じていました。そこで豊富な実習体制を備え、実際のクライエントに接しながら経験が積める本研究科を選びました。中でも毎週行われるケースカンファレンスは、クライエントについて専門教員の意見を直接聞けるところに大きな価値があります。参考書から得るよりはるかに学びに厚みがあります。また、大学院生のうちに実際にクライエントを担当でき、カウンセリングに対する担当教員の丁寧なスーパービジョンを毎回いただけます。こうした実践経験を積み重ね、子どもに寄り添い、保護者や教育者をも支える心理職を目指します。
※2024年度取材
修了生からのメッセージ
勤務先:成仁病院
現場と向き合い成長する礎を育んだ実習と丁寧な振り返り
思春期や青年期の心理的支援に興味を持ち、臨床心理士を志して大学院に進みました。本学を選んだ理由は、実習の数と担当できるケースの多さ。私は医療領域で働くことを目指していましたが、児童養護施設や小学校などの病院以外での実習も貴重な経験となりました。また、クライエントとの面接後の、担当教員による丁寧なスーパービジョンが励みでした。現在働いている精神科病院ではカウンセリングや心理検査、小児の予診を担当しています。面談では普段の生活や困り事を伺い、患者様のお気持ちを和らげたり、医師などと患者様の見立てや支援方針について相互に共有出来た際にやりがいを感じます。教科書通りにはいかない臨床現場ですが、仲間と切磋琢磨しながら本学で育んだ心理職としての姿勢が、自分を支えています。
※2024年度取材
勤務先:
株式会社ジャパンEAPシステムズ
カウンセリングやコンサルテーション業務には学内実習で積んだ基礎と経験が役立つ
新卒入社した企業で心身の不調を訴える社員を目の当たりにし、会社員のメンタルヘルス対策の必要性を感じたため、産業臨床について学べる本研究科を選びました。学内の臨床心理センターでは実習として多くの経験を積むことができ、指導体制も万全です。今は外部 EAP 企業に勤務し、個人へのカウンセリングおよび人事や会社組織へのコンサルテーションなどを担当しています。個人に対する心理支援のやりがいだけでなく、組織規模で話が動くコンサルテーションの面白さと難しさを日々味わっています。現在心理職として働けているのは、大学院で学んだ心理学の知識をはじめ、アセスメントや介入の基礎・基本を丁寧に指導いただいたおかげだと思っています。
※2024年度取材
勤務先:練馬区立学校教育支援センター
現場で経験を積むほど実習で得た学びと経験の大切さを実感
不登校のお子さんと関わり、心理職として子どもとその親御さんを支援したいと、大学院進学を決めました。本学の実習は、学びと実践の繰り返しです。各分野の専門知識を持つ教員陣によるスーパービジョンを受け、心理検査の実施や多職種との連携、チームでの支援法まで、幅広い貴重な経験を積むことができました。今は学校教育支援センターでプレイセラピーや言語面接、心理検査を担当しています。チームでの支援では、自分の見立てや疑問の積極的な発信を心がけています。また心理検査では目の前のお子さんはもちろん、保護者の方に心を配りながら対話を大切にしています。現場実践を積めば積むほど、実習で得た学びが活かされていることを感じています。
※2024年度取材