児童福祉司とは
子どもや保護者から相談を受け、必要な支援・指導、および関係調整を行う仕事
児童福祉司とは、児童相談所に所属し、子どもや保護者の相談に乗り、抱えている問題の解決をサポートする仕事です。児童相談所に寄せられた相談に乗るほか、講演会を開いたり、地域を巡回したりする場合もあります。
児童相談所に所属し、子どもや保護者の相談に乗り、抱えている問題を解決し、充実した家庭環境を取り戻すためのサポートをします。児童相談所に寄せられた相談に乗るほか、講演会を開いたり、地域を巡回する場合もあります。
必要な資格
目指せる学部・学科・コース
児童相談所に所属し、充実した家庭環境をサポートする福祉専門職です。近年、児童虐待が増加していることなどから、社会から注目されています。
このようなことから今回は児童福祉司の仕事について、担う役割や具体的な業務内容、そして職業のめざし方について詳しく解説します。児童福祉司に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
児童福祉司とは、児童相談所に所属し、子どもや保護者の相談に乗り、抱えている問題の解決をサポートする仕事です。児童相談所に寄せられた相談に乗るほか、講演会を開いたり、地域を巡回したりする場合もあります。
児童福祉司は、児童相談所に所属する「公務員」です。児童相談所は、児童福祉法第13条に各都道府県や指定都市に設置を義務付けられた機関で、指定都市以外にも個別に政令で指定する市、特別区でも児童相談所を設置でき、令和2年現在、全国に219ヶ所設置されています(参照:総務省「第2 調査結果」より)。
各児童相談所には、必要な部門や職員が法律等によって定められており、児童福祉司もそのうちの1つとして規定されています。
ここからは、児童福祉司の具体的な仕事内容をみていきましょう。
児童福祉司は、児童相談所に寄せられた相談を調査・確認し、子どものすこやかな成長を保障すべく、子どもと家庭をサポートします。相談は、虐待に関する相談や家庭内のしつけや不登校などの相談などさまざまで、以下のような相談に応じています。
養護相談:虐待の相談や養育困難(保護者の家出、失踪、死亡、離婚、入院、就労及び服役など)、迷子に関する相談や養育家庭(里親)に関する相談のこと
保険相談:一般的健康管理に関する相談(乳児、早産児、虚弱児、児童の疾患、事故・ケガなど)のこと
障害相談:視覚障害、言語発達障害、身体障害等に関する相談のこと
非行相談:家出や浮浪、暴力など一定の事由があり将来、罪を犯す恐れのある少年の行為に関する相談や、触法行為(14歳未満で刑罰法令に触れる行為)のあった児童、犯罪少年(罪を犯した14歳以上20歳未満の少年)に関して家庭裁判所から送致のあった児童などに関する相談のこと
育成相談:不登校や児童の性格・行動、家庭内におけるしつけなどに関する相談のこと
(出典:東京都福祉保健局 東京都児童相談センター・児童相談所「相談の種類」)
児童福祉司は、相談を受理したら必要に応じて子どもの家庭、地域状況、そのほか性格、行動について専門的な知見をもとに調査・確認を行います。たとえば、相談内容の確認のために家庭訪問し直接面接をしたり、場合によっては子どもを一時的に保護したりします。
こうした調査を踏まえ、援助指針を作成し決めます。援助指針は、子どもの最善の利益を第一に、当事者である子どもや保護者の意見、当事者が置かれている環境、医師など他の専門職による総合診断の結果などを踏まえ策定されます。
児童福祉司は、策定された援助指針をもとに子どもと保護者に対して適切な支援・指導を行います。また、児童福祉司は、子どもと保護者への支援・指導以外にも地域住民を対象とした講演会の開催や巡回活動をしたりするなど、子どもと家庭にある様々な問題の解決に向け地域でのサポートを行います。
では、実際に児童福祉司になるにはどのような方法があるのでしょうか。具体的ななり方について見ていきましょう。
児童福祉司になるには、児童福祉司の「任用資格」が必要です。任用資格は、児童福祉法に定められており、所定の大学において心理学、教育学、社会学のいずれかを専修して卒業したあと、厚生労働省の定める施設で1年以上の実務経験を積むことで、任用資格が得られます。
また、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を取得することでも任用資格が得られます。それ以外に、社会福祉主事として、2年以上児童福祉事業に従事した者なども任用資格が得られます。
(参照:厚生労働省「児童福祉司の任用資格要件について」)
とはいえ、任用資格は実際に働き始めなければ適用されない資格で、任用資格要件を満たしているだけでは児童福祉司と名乗ることはできません。
そのため、児童福祉司になるには「地方公務員試験」への合格が必要です。「福祉職」もしくは「社会福祉区分」で合格し、児童相談所へ配属されてはじめて、児童福祉司と名乗ることができます。
【補足】
地域におけるソーシャルワークの重要度は増大しています。
このような背景がある中、「市町村子ども家庭総合支援拠点」に配置される「子ども家庭支援員(ソーシャルワーカー)」も重要な役割を担う専門職として期待されています。そして、「子ども家庭支援員」の資格要件は、児童福祉司の資格要件を準用するものとなっています。
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児童福祉司とは、児童相談所に所属し、子どもや保護者の相談に乗り、抱えている問題の解決をサポートする仕事です。増加し続ける児童虐待などの社会問題に対応すべく、今後ますます必要とされる仕事の一つと考えられます。
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