臨床心理士
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臨床心理士

臨床心理士

この職業について

相談者が心の問題を解決できるようにサポートをする職業。アセスメント(臨床心理査定)・カウンセリング(臨床心理面接)・コンサルテーション・リエゾン(臨床心理的支援)といった臨床心理学に基づいた知識や技法で相談者をサポートします。取り扱う相談は、家庭や子育ての悩み、学校や職場での悩みなど様々で、病院や福祉センター、介護施設、児童相談所などで活躍しています。また、病院や福祉施設以外にも企業や学校のカウンセラーとして活躍する臨床心理士もいます。

必要な資格

  • 臨床心理士

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臨床心理士の仕事紹介

人々が抱えるさまざまな心の問題を解決し「自分らしく生きる」ことをサポートする、臨床心理士。
今回は臨床心理士の具体的な業務内容や活躍の場、仕事のやりがいを詳しく解説。また職業のめざし方についてもご紹介します。

臨床心理士とは

心の問題に寄り添い「自分らしく生きる」を支える仕事

臨床心理士とは、人々が抱える心の問題に寄り添い、臨床心理学にもとづく知識と技術による問題解決に向けたアプローチで「自分らしく生きる」ことを支える仕事です。
日本臨床心理士資格認定協会によって1988年に資格制度が設けられ、2021年4月時点で約40,000名の臨床心理士が認定されています。

(参照:日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」)

公認心理師・心理カウンセラーとの違い

人の心にまつわるサポートを行う関連職種として、公認心理師・心理カウンセラーなどがあります。

臨床心理士と公認心理師の主な違いは、資格の位置づけです。臨床心理士が公益社団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格であるのに対し、公認心理師は公認心理師法にもとづく国家資格です。業務範囲には、明確な違いはありません。

心理カウンセラーは資格ではなく役割をさすため、心理学の知識や技術をもってカウンセリングを行える人であれば誰でも名乗ることができます。心理カウンセラーの一種として、有資格者の臨床心理士・公認心理師がいると捉えるのが一般的です。

臨床心理士の仕事内容

ここからは、臨床心理士の具体的な仕事内容を見ていきましょう。

臨床心理査定

相談者=クライエントの自己理解を深め、今後の支援方法を検討するために、考え方や行動の特性、現在の悩み、課題点などを明らかにする「臨床心理査定(心理アセスメント)」を行います。臨床心理査定は、行動観察や面接、知能・発達検査、心理テストなどの方法で行われるのが一般的です。

臨床心理面接

臨床心理査定で明らかになったクライエントの特性に応じて、さまざまな技法を使い分けながら課題解決に向けたアプローチを行います。臨床心理技法の一例として、次のようなものがあります。

  • クライエント中心療法:積極的な指示やアドバイスを行わずに、クライエントの声に耳を傾け、クライエント自身で問題解決ができるようにサポートする
  • 認知行動療法:クライエント自身が考え方を変えることで問題を解決したり苦しみを軽減したりできるよう、説明や提案を行う
  • 芸術療法:絵画や音楽などの芸術を通してクライエントが自己表現を行い、問題解決につなげられるようサポートする

臨床心理面接は臨床心理士の仕事の中核ともいえる仕事ともいえるもので、クライエントが自身の心について理解し、「自己治癒」に向かえるように寄り添うことが重要なポイントとなります。

臨床心理的地域援助

クライエント個人への支援を行うだけでなく、医療機関や司法機関、行政、学校などと連携しながら地域社会への介入を行うことも臨床心理士の大切な仕事です。
具体的には、地域住民や学校・企業に属する方々の相談にのったり、事故や事件の被害者の精神的なケアを行ったり。また人々が精神的な問題を抱えることを未然に防ぐために、啓蒙活動を行ったりします。
 

調査と研究活動

臨床心理士の知識や技術を高め、根拠のある支援を行うためには、臨床心理的調査や研究活動を継続することが重要になります。例えば、援助に際してあらかじめ立てた仮説を検証したり、過去事例や学会発表などから「どのような問題が、どのように援助・解決されたのか」を学んだりします。

臨床心理士の活躍の場

臨床心理士の働く場所は多岐にわたります。主な活躍の場を見ていきましょう。

医療・保健

精神科や心療内科、小児科のある病院、リハビリテーションセンター、保健所など保健医療分野の現場では、医師や看護師、リハビリ職員などと連携しながら心理療法を行います。
統合失調症や依存症、認知症などのさまざまな疾患に対応するほか、引きこもりの状態となった方の相談にのったり、乳幼児の発達にも関与したりするなど、職場やクライエントによって業務内容はさまざまです。

教育

幼稚園や保育園では「保育カウンセラー」として、小学校以上の学校では「スクールカウンセラー」として働き、生徒や教員の心の問題に寄り添ったり、生徒と向き合うためのアドバイスを保護者や教員に行ったりします。
不登校やいじめ、友人関係などの学校にまつわる問題から、精神疾患や発達についての相談まで、対応すべき問題は多岐にわたります。

福祉

児童福祉施設や高齢者福祉施設をはじめとした福祉領域の現場でも、臨床心理士が活躍しています。
障がいのある方やDV被害者など複雑な家庭環境に悩む方、高齢者などの心の問題に対し、一般職員とは異なる臨床心理学の観点からのアプローチを行い、問題解決を支援します。必要があれば行政などの関係機関と連携して対処を行うほか、家族との相談や援助を行う場合もあります。
 

産業

企業内の健康管理センターや従業員支援プログラムなどで、「産業カウンセラー」や「相談員」として働く臨床心理士もいます。上司との関係性をはじめとした職場での悩みごとの相談にのることや、過労や精神疾患で休職する方の職場復帰支援などを主に行います。
メンタルヘルスやワークライフバランスなどへの関心が高まるなか、専門的な知識・技術を用いたアプローチのニーズが高まり、臨床心理士を雇う企業が増えています。

司法・法務・警察

事件や事故を起こした人を対象に、臨床心理士が心理査定をもとに処遇決定の支援を行ったり、改善・更生を促すためのカウンセリングを行ったりする場合もあります。

臨床心理士の仕事のやりがい

臨床心理士は、専門家としての立場から一方的にアドバイスや指導を行うのではなく、クライエントに寄り添い、ともに解決策を探しながら治癒を後押しする仕事です。
家庭や職場環境、事件や事故などさまざまな事情が絡み合う問題にクライエントとともに対峙する過程で、少しずつクライエントの症状や考え方に前向きな変化が見られることは、大きなやりがいとなるでしょう。
 

活躍する卒業生の声

「やはり患者さんの症状がよくなることにやりがいを感じます。例えば、1年前はエネルギーもなく落ち込んでいる様子だった人が、元気になっていき『こんなことにも挑戦してみたんです』などと話をしてくれると、よかったなぁ、と思いますね。この仕事の本質は、本来持っているその人の力を取り戻していくこと。治療を通して、その人らしさを取り戻し、その人らしい人生を送ることができるようになることを常に目指しています。」
(帝京平成大学HP「卒業生インタビュー」より)

帝京京平成大学の教員の声

「心理臨床の仕事は、「こころ」をもった生身の相手(=クライエント)と向き合い、理解し、援助することにあります。見えない「こころ」を理解するために、相手に耳を傾ける(=傾聴)のです。自分が相手にどのような影響を与えているのか、常に内省しながら、応答する姿勢が求められます。クライエントに寄り添い、その語りえない「声」に耳目を傾けるなかで、本来の力を取り戻していく関わりをクライエントと協働して作り上げていくことは心理臨床の仕事のやりがいといえるでしょう。」
(健康メディカル学部 心理学科 荘島 幸子先生

臨床心理士になるには

臨床心理士になるには、日本臨床心理士資格認定協会が行う認定試験に合格し、資格を取得する必要があります。認定試験には、主に次のような受験資格が設けられています。

  • 指定大学院を修了し、所定の条件(心理臨床経験)を満たす
  • 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了する
  • 外国で指定大学院と同等以上の教育を受け、修了後に日本国内で2年以上の心理臨床経験を持つ
  • 医師免許を取得し、取得後2年以上の心理臨床経験を持つ など

(参照:公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」)

試験は例年10月から11月にかけて実施され、一次試験(多肢選択方式試験・論文記述試験)と一次試験通過者のみが受けられる二次試験(面接)で心理学にまつわる幅広い知識が問われます。
※ただし専門職大学院を修了した場合は、論文記述試験が免除されます。
 

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帝京平成大学には東日本唯一となる専門職大学院も併設されており、内部進学者に対しては優遇措置も設けられています。知識の習得にとどまらず、資格取得やその先の就職まで見据えた手厚いサポートが受けられるのが魅力です。

まとめ

人々の心の問題に寄り添い「自分らしく生きる」ことをサポートする臨床心理士は、医療・保健機関だけでなく、学校や企業から刑務所まで、幅広い現場で “心の専門家” として活躍しています。

帝京平成大学では、健康メディカル学部 心理学科で臨床心理士をめざすことができます。オープンキャンパスへのお申し込みや資料請求も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。